珍しく都会で平日夜飲み。
久々に帰宅ラッシュを体験して思うのは、「何でこんなに人間が溢れてんのかな?」(自分を差し置いてね…)
ちょっと大都会を走ってみたけれど…東京湾を見て、汚いなと思う。汚したのは私たちなのだろうと。
人間が増えすぎていて、あまりに人間社会を広げすぎていて、人間と自然は隔離されている。
都会のど真ん中のカルガモ親子のお引っ越しだって、そうせざるを得ないのは私たちのせい。(旦那さま談)
もし人類が滅亡したら、地球は自然におおわれて境界は無くなるのかな。海もまた美しさを取り戻すのだろうか。
でも、電車に乗っている一人一人の背景を想像すると、毎日お仕事を頑張っていて、日々生きている、その日常がある。
道路脇の花壇に花を植えて、手入れしてくれている人がいる。
人類がいない方が地球にとっては良いのだろう、きっと。
でも生まれてきたからさ…やっぱり生きていたいのです。
🍊『虫眼とアニ眼』とイベントテーマ
『もののけ姫』が、ジブリ作品の中でいちばん好きです。その次に『紅の豚』。
ちょうど『もののけ姫』が公開された年&翌年、そして『千と千尋の神隠し』の公開された年の、お二人の対談がこちらの本。
いつ買ったのか覚えていません。何で買ったのかも。
6/17に開催する『狼煙~NOROSHI~』のイベントに際してふと思い出し、改めて読んでみました。
今読むとですね、もう20年以上前からお二人は「人間社会の本質的な闇」に気づいていて、そして今も何にも変わらないんだなと分かります。
『虫眼とアニ眼』は全文必読ですが、本著の中から今回のイベントのテーマにも通ずる宮崎さんの言葉を抜粋します。
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宮崎 …前略…今度の場合で言うなら、「もののけ姫」であるサンという女の子の、人間に対する憎悪とか不信を、はたして開放することができるかどうかというのが課題だったんですが、作っていくうちに、どうにも解放できない、解放なんかさせたらウソになる、そういうところに行かざるをえなかった。自分の中で全然払拭できないんです。そう思って周りの人間たちを見ると、決してそう意識してるわけではないけれど、やっぱりみんな「人間嫌い」になっているんですね。正しくは「人類嫌い」と言った方がいいかもしれませんが。顔見知りの人間は好きなんです。けれど、人類とか外国人と言ったとたんに、「いなきゃいいのに」という感じになる。こんなにみんなが人間嫌いになっている時代は無いんじゃないか。一方では、人間の命はとても尊いとなんて言ってる時代で、建前と本音というのはヘンな言い方ですが、もっと底のほうに、いわゆる「うざったい気持ち」が、通奏低音のように流れている。
ーp.41-42『もののけ姫』の向こうに見えるもの
宮崎 殺しても惜しくない人間を映画に用意しておけば、いくらでも殺せるわけです。みんな殺しても、ちっとも惜しくないように仕組むんですね。それをやったらおしまいだと思うから、なるべくいい部分で人間たちを出そうと自分に課したんです。自分の中ではっきりとうんざりしている部分があるから、それを野放しにすると最低なものになるなと。だから、精神的に一番健康なときに感じることで人間を作らないと、結局、全部殺したほうが良いんじゃないかとたちまち結論がいく。…中略…生態系というピュアなものがあって、それを壊し奪うのが人間と決めると、どうにも許せなくなるんです。その気持ちはとてもよくわかるんですが、その気持ちに身をゆだねるのも、別な形の残忍な攻撃性になってしまう。
ミソもクソも一緒に生きようという考えしか、これからの世界には対応しようがないと思うんです。
ーp.119-120 『もののけ姫』の向こうに見えるもの
養老 まず感性の基本には、ある種の「差異」を見分ける能力があると思う。…中略…平たく言えば、感性とは、「なんかほかと違うぞ」って変化が分かることと言っていいんじゃないだろうか。で、現代の人間、とくに子供たちが、いまどこにその差異を見ているのかを考えると、結局人間関係の中にそれを見ちゃっているんですね。ぼくらの頃は、「なんか違うぞ」っていうのは、「蟹がいねぇぞ」だったんです。…中略…ぼくは本来的に「感性」というのは、このことかと思ったんです。つまり、(自然環境の)そういうディティールを感知する能力は、本来人間も持っていたはずなんです。昆虫だって知っているんですから。けれどもその能力を閉鎖して、環境を一律にとらえようとしている。そうやっていくうちに人間の感性はあまってしまったのではないかと。今度はそれを人間関係や都市の人工物に割り当ててるんじゃないだろうか。
ーp.51-52 『もののけ姫』の向こうに見えるもの
🍊言葉にならないから、それを言葉にする。
宮崎 映画見て人間が変わるくらいだったら、ヒトラーだって世界を征服してますよ。そりゃあ作品が支持されるのは、作家冥利に尽きるけれど、今度はあのフィクションの世界が忘れられなくて、三〇回も四〇回も見るなんて人が出てくると、これもまたつらいでしょう(笑)。一本の映画が時代を動かすきっかけになるとしたら、すでに世の中全体がどこかへ向かおうとしている、その下準備が十分できているときに、引き金になるということはあったとしても、これで世の中が変わるだろうなんて自分たちの仕事を考えるのは、傲慢の極みだと思っています。
少なくとも僕としては、ヘンな時間や空間を提供し続けたいなぁって。(笑)
ーp.67-68 『もののけ姫』の向こうに見えるもの
宮崎さんほどの人だからこそ、この言葉が深く刺さる。本当にこの言葉通りで、今回の『狼煙~NOROSHI~』のイベントはなんか大層なことを掲げているようで、私は正直「これで何になるのかなぁ」と思っています。
でも、旦那さまが出てくれるしね(笑)。
そして、地球に生きる人間としての本質的な生き方は、人間としての幸せは、ぜんぶ自然が教えてくれる。目を向けるだけで、ちゃんと向き合うだけで、自分の中の何かが動くのが分かる。
言葉にしたら嘘くさくなるから、偉人の言葉をお借りしてみました。
狼煙~NOROSHI~イベント案内
▼日時
2023/6/17〔Sat〕
・Open 11:15~
・Start 11:45~14:15終演予定
▼会場
代官山『晴れたら空に豆まいて』
東京都渋谷区代官山町20-20
モンシェリー代官山B2
▼Ticket
▷リアル開場
・4,400円(税込)+1Drink制(600円~)
※お食事も別途オーダーできます
※70席限定
▷オンライン
・3,300円(税込)
※チケットを購入された方全員に後日アーカイブを配布。
(視聴期間 2週間)
▼ご案内ページ
▼チケット予約
***Schedule***
11:45―Opening―
・Crystal Bowl Sound Healing
Nana×山田 恭世
・Opening Song 彩雲
・Chorus 井元 玲子
12:00―Talk Live―
・Guest1 山田 恭世×石﨑 智己
・Guest2 山田 恭世×ジョン・ムーア
・Moderator 竹内 友里
13:40―Live Sound―
・Vocal ゆきいろ & Mutsumi
・Music 頓所 謙士